『話してくれ、雨のように…』
あらすじ
ニューヨーク・マンハッタンのミッドタウン、家具付きアパート。都会で夢を見て暮らし始めた二人の男女の姿はもうそこにはない。
失業し泥酔したまま横たわっている男。窓辺に座っている女。現実に押し潰され酒に溺れ自分の弱さを嘆く男。そんな男の思いを受け止める気力もない女。
二人の間には、感情のすれ違い、もはや修復不可能な状況がそこにある。
その状況から逃れるように、男は女に言う「話してくれ、雨のように…」。
女はゆっくりと話し出す、男との惨めな境遇から抜けだし、この部屋から出て行く架空の物語を。